共分散構造分析とは、因子の発想+回帰の発想
潜在変数の間の因果関係を仮定したモデル (例)
- 直接観測できない「知覚品質」が原因となり、直接観測できない「選好」が決まると仮定。
- 消費者から見た製品Xの「知覚品質」を、3項目で測定
- 製品Xに対する「選好」を、3項目で測定。

ダイエット飲料の事例紹介
【分析(仮説立て)のステップ】
A)潜在変数と潜在変数の関係について仮説を立てる
- “味の好ましさ”と“ダイエットへの効果”が高いほど、ダイエット飲料の“魅力”は高い
B)観測変数と潜在変数の関係について仮説を立てる
- “味の好ましさ”は、調査項目「おいしい」「後味がよい」「飲み飽きない」「飲みやすい」への回答から、間接的に測ることができる
- 他の潜在変数についても同様

(A)と(B)を仮定して、データに当てはめる⇒色々な仮説を検証する
- 味の好ましさとダイエット効果が高いと魅力が高いと本当に言える?
- 味の好ましさとダイエット効果では、どちらが魅力に貢献している? など
ダイエット飲料の事例紹介(アウトプットイメージ)

共分散構造分析の見方
本件では、アンケートにより得られた「購入タイヤに関する34項目の個別満足度」と「購入タイヤに関する総合満足度」間の 関係性・影響度合いを、説明変数間の相関を認めつつ算出するために実施いたします。

仮説モデル例
モデルの見方
モデルは四角と楕円と矢印で構成されています。
四角:観測変数。(アンケートで実際に聴取された変数を表します。)
楕円:潜在変数。(アンケートでは直接聴取されていない概念(共通因子)を表します。)
片矢印:因果関係を表します。
- 矢印が出発している変数が「原因」、矢印を受け取っている変数が「結果」です。
- 矢印に書き込まれた数値は、「パス係数」と呼ばれるもので、「原因」が「結果」にどの程度影響しているのか、その強弱を示します。
(数値が“1”に近い程、強い影響があることを示します。)
両矢印:相関関係を表します。
- 両矢印に書き込まれた数値は「相関係数」と呼ばれるもので、両矢印でつないだ項目間にどの程度相関があるのか、その強弱を示します。
(数値が“-1”または“1”に近い程、強い相関があることを示します。)
適合度指標について
- GFI(Goodness of fit index)/CFI(Comparative Fit Index)など
・モデルに対するデータのあてはまり度合いを0~1のスコアで表します。一般的に使われる上記指標の場合、0.9以上であればモデルとして適切であると判断し、更に0.95以上なら優れていると判断します。 - RMSEA(Root Mean Square Error of Approximation)など
・モデルで説明できないデータがどの位あるかを0~1のスコアで示します。一般的に0.05以下であればあてはまりがよく、0.10以上であればあてはまりが悪いと判断します。