PSM分析

PSM(Price Sensitivity Meter)分析

PSM分析とは

PSM分析では、消費者が持つ価格への知覚をあらわす4本の累積曲線から「最低価格」「最高価格」「妥当価格」「理想価格」の4つの交点を求め、商品が市場で許容される価格帯を(range of acceptable price, RAP)を計測します。そして売上額や利益額の最大化、ブランドポジショニングの構築など、マーケティング戦略に則った最適な価格を決定する手掛かりにします。

PSM分析の活用シーン
  • 市場に類似品がない新たな商品に対する消費者の価格感度を知りたい
  • 現行商品に対する消費者の価格への知覚を知りたい
  • 現行商品の価格決定(プライシング)に利用したい
PSM分析でできること
  • 市場で受容される最適価格や高グレード商品の最高価格、バーゲン販売する際の最低価格などを消費者の価格観から算出

価格戦略に必要とされること

ここでは、価格戦略の策定に有用な調査法を紹介します。

価格は単に商品の価値はどのくらいか、どのくらいの売上をもたらすか、利益はどのくらいか、というものを表す数字ではありません。広告や店舗の雰囲気等と同様に、価格が生活者の間に商品のイメージを創出し、生活者に満足を与えるという役割を持っています。

例えば高級ブランドのバッグが3,000円で売られていたとしたら、恐らくそのバッグはニセモノではないかと疑われ、「買いたい」と思う人は非常に少ないと思われます。これは“価格が商品の品質を表す”と、生活者にとらえられているという側面を持っているからです。(価格の品質バロメータ仮説[Levitt, 1954他]による)

価格設定の問題では、価格を下げれば販売量が増えるという単調な関係を想定するのではなく、商品のイメージやコンセプトとのコンテクストも考えることが要求されます。このような視点から、最適な価格を求めていくために従来使われていた分析手法がPSM分析(Price Sensitivity Meter)でした。

PSM分析の調査方法

一般的な価格調査法の問題点

一般的な価格調査は下記のように質問されていますが、これには問題があります。

一般的な価格調査法の問題点

図1

通常、生活者が物を買う場合には、ある程度柔軟な予算の幅があると考えられていますが、この調査ではそれが考慮されていません。(グーテンベルグの仮説)

このように、直接的な聞き方をすると、調査結果の数値は低めに出る傾向があります。「この商品はいくらで買いますか。」と質問をされると、回答者は取引の関係を想定し、本当はもう少し高くても買うにもかかわらず、安い価格を回答することが想像でき、逆に実際の取引ではないため、高い価格を回答することも考えられます。つまりこの調査方法では、妥当性のある情報が得られない危険性があります。

一般的な価格調査法の問題点

PSM分析は、前段のように直接的に購入価格を質問するのではなく、価格イメージ、価格観などの参照価格(生活者の心の中に形成される対象商品にふさわしい価格)を求めることが大きな特徴です。

  • Q1. その商品「P」は、いくらぐらいから「高い」と思いますか。
  • Q2. その商品「P」は、いくらぐらいから「安い」と思いますか。
  • Q3. その商品「P」は、いくらぐらいから「高すぎて買えない」と思いますか。
  • Q4. その商品「P」は、いくらぐらいから「安すぎて品質が疑わしい」と思いますか。

このように質問した調査結果から累積分布をとり、図2のような4本の曲線の交点を求め、これらを基準の価格とすることがPSM分析です。

PSM分析

図2

PSM分析の問題点

しかし、マクロミルにおいてPSM分析による調査を重ねていった結果、いくつかの疑問点が出てきました。

理想価格は「安すぎる曲線」と「高すぎる曲線」の交点で求められるといわれていますが、なぜこの交点が「理想価格」なのでしょうか。おそらく“購買の可能性のある人の数が最も多い価格が理想価格である”と考えられているからだと思います。

すなわち、高すぎて買えないと感じる人の数と、安すぎて怪しいと感じる人の数の合計が最も少ない価格が、理想価格になると考えられます。これをグラフにするには「安すぎる曲線」と「高すぎる曲線」を加えた曲線を描き、そのピークを求めれば理想価格が求まることになります。図3のように、PSM分析でいうところの「安すぎる曲線」と「高すぎる曲線」の交点(=理想価格)と、「安すぎる曲線」と「高すぎる曲線」を加えた曲線のピークが明らかにずれていることがわかります。

PSM分析

図3

またPSM分析には他にも疑問点があります。PSM分析のアウトプットから、4つの価格が一意的に求まってしまいますが、その価格が実現不可能な場合はどういうアクションを打てばよいのでしょうか。またその価格から離れた価格設定をしたときに起こる市場のインパクトはどうでしょうか。価格感度の累積分布は通常は階段状になり、さらに交点だけに着目することによって、交点までのデータの分布を無視することになってしまう、という懸念もあります。

このようなPSM分析の研究結果から、交点を求めるのではなく新たな4本の曲線へと変形させることで、より精度の高い調査、より使いやすい分析結果を得ることができる手法がマクロミルが独自開発した『PRICE2』です。

PRICE2での改良点
  • より現実の戦略に応用しやすいよう、最適な価格を、幅を持ったものとしても算出可能に
  • PSM分析では解釈が不安定であった階段状曲線の場合でも対応が可能に
  • 基準となる4つの価格の外側や内側が、生活者へどのように映るのかを解釈しやすく

より深く知りたい方はこちら(関連リンク)

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